🅰️ ローマ字ぼうけん

小学3年生のローマ字の覚え方

覚える順番・ローマ字表・つまずきやすい字の教え方を、おうちの人と先生むけにまとめました。

2026年9月1日(2026年9月4日 更新)

このページの内容
  1. ローマ字は「この順番」で覚えると迷わない
  2. ローマ字表(清音・濁音・拗音)
  3. ヘボン式と訓令式のちがい
  4. つまずきやすい6つのポイント
  5. タイピング練習の前に、覚えるのが先
  6. おうちでできる練習のしかた
  7. よくある質問

先に結論

ローマ字は「表を丸暗記」させるとほぼ挫折します。子音(k・s・t…)と母音(a・i・u・e・o)の組み合わせだと気づかせて、次の順に少しずつ足していくのが、遠回りに見えていちばん速い道です。

あ行 → か・さ・た行 → な・は・ま行 → や・ら・わ行と「ん」 → 濁音 → 促音「っ」 → 拗音

1. ローマ字は「この順番」で覚えると迷わない

ローマ字は小学3年生の国語で習います。表をまるごと配られても子どもは固まってしまうので、覚える量を7つの塊に割って、前の塊が身についてから次に進むのが基本です。

ステップ1|あ行(a i u e o)だけを先に

ここが全部の土台です。ローマ字はほぼ全部「子音+あいうえお」でできているので、あ行の5文字さえ体に入れば、残りは「頭に文字を1つ足すだけ」になります。逆にここが曖昧なまま先に進むと、ずっと表を見ながらでないと書けません。

ステップ2|か行・さ行・た行(k / s / t)

「か = k + a」と、頭に1文字足すだけだと実感させる段階です。ここで「し」「ち」「つ」だけ形がちがうことに出会いますが、深追いせず「この3つは特別」とだけ伝えて先へ進みます(くわしくは4章)。

ステップ3|な行・は行・ま行(n / h / m)

例外がほぼない、いちばん素直な塊です。ここで「やっぱり足すだけでいいんだ」という手応えを作ります。「ふ」だけ fuhu の2通りがあります。

ステップ4|や行・ら行・わ行と「ん」「ー」

数が少ないので短く終わります。ただし「ん」は後で必ずつまずく字なので、ここで「ん = n」を強く印象づけておきます。あわせて、カタカナののばし棒「ー」=キーボードのハイフンもここで教えてしまうと、あとがスムーズです(→のばす音「ー」の打ち方)。

ステップ5|濁音・半濁音(が・ざ・だ・ば・ぱ行)

「か → が」は「k → g」、「は → ば → ぱ」は「h → b → p」と、点々・丸をつけると子音が変わるという規則で覚えます。1つずつ暗記するのではなく、清音とペアで見せるのがコツです。

ステップ6|促音「っ」(小さいつ)

「きって = kitte」のように、次の音の子音を2回重ねるだけ。ルールが1つしかないので、実は拗音より簡単です。先にここを終わらせると自信がつきます。

ステップ7|拗音「ゃゅょ」(ようおん)

最後の山です。「きゃ = ky + a」のように子音のうしろに y を挟むのが基本形。ここまで来れば、ローマ字はほぼ読み書きできます。

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2. ローマ字表(清音・濁音・拗音)

印刷しても、画面のまま見てもかまいません。スラッシュで区切ってあるものは、どちらで書いても正解です(左がヘボン式、右が訓令式)。

ローマ字表(清音・ん)
aiueo
あ行aiueo
か行kakikukeko
さ行sashi / sisuseso
た行tachi / titsu / tuteto
な行naninuneno
は行hahifu / huheho
ま行mamimumemo
や行yayuyo
ら行rarirurero
わ行wawo / o
n / nn
ローマ字表(濁音・半濁音)
aiueo
が行gagigugego
ざ行zaji / zizuzezo
だ行dadidudedo
ば行babibubebo
ぱ行papipupepo
ローマ字表(拗音・ようおん)
yayuyo
きゃkyaきゅkyuきょkyo
しゃsha / syaしゅshu / syuしょsho / syo
ちゃcha / tya / cyaちゅchu / tyu / cyuちょcho / tyo / cyo
にゃnyaにゅnyuにょnyo
ひゃhyaひゅhyuひょhyo
みゃmyaみゅmyuみょmyo
りゃryaりゅryuりょryo
ぎゃgyaぎゅgyuぎょgyo
じゃja / jya / zyaじゅju / jyu / zyuじょjo / jyo / zyo
びゃbyaびゅbyuびょbyo
ぴゃpyaぴゅpyuぴょpyo

促音「っ」の書き方

小さい「っ」は、次の音の子音を重ねて書きます。

のばす音「ー」の打ち方

カタカナの のばし棒「ー」は、キーボードのハイフン(-)で打ちます。キーは P の右どなりです。

ひらがなののばす音(おかあさん・とうきょう)は、これとは別の話です(4章の③)。「ー」という記号が見えているときだけハイフン、と分けて教えると混乱しません。

3. ヘボン式と訓令式のちがい

ローマ字には書き方が2種類あります。ここで混乱する子がとても多いので、大人の側が違いを分かっておくと教えやすくなります。

ちがうのは、じつはこの数文字だけ
かなヘボン式訓令式
shisi
chiti
tsutu
fuhu
jizi
しゃ/しゅ/しょsha / shu / shosya / syu / syo
ちゃ/ちゅ/ちょcha / chu / chotya / tyu / tyo
じゃ/じゅ/じょja / ju / jozya / zyu / zyo

どちらで教えればいい?

「どちらも正解」と最初に伝えてしまうのがいちばん平和です。学校のテストでは教科書に合わせる必要がありますが、家では両方見せておくほうが後で得をします。「し」を shi と打つのも si と打つのも、パソコンなら同じ「し」が出るからです。

「shi と si、どっちが正しいの?」と聞かれたら、「どっちも正しいよ。学校のテストでは教科書のほうを書こうね」で十分です。ここで片方を「まちがい」にすると、子どもは自分の書いたものを疑い始めて手が止まります。

4. つまずきやすい6つのポイント

① 「し・ち・つ・ふ・じ」だけ形がちがう

ローマ字がきらいになる原因の第1位です。「規則から外れるのはこの5つだけ」と数を先に見せると、子どもは一気に楽になります。「例外がいっぱいある」と思っているうちは怖いままです。

② 「ん」の書き分け

「ん」は n ですが、パソコン入力では nn と2回打つほうが確実です(「ほん」→ honn)。また、あとに b・m・p が続くと m と書く流儀もあります(しんぶん → shimbun)。小学生のうちは「n でいい」と割り切って大丈夫です。

③ 長音(のばす音)

「おかあさん」「とうきょう」など、のばす音の書き方は複数あります(oo / ou / ô / のばさず o)。ここは学校の教科書に合わせるのが正解で、家で深追いしなくていい部分です。

④ 促音「っ」を1文字だと思ってしまう

「っ」だけ単独で書こうとする子がいます。「っ は、次の音を1回強く言うための合図」と伝え、「きって」を口に出させながら書かせると腑に落ちます。

⑤ 拗音を「3文字の丸暗記」にしてしまう

きゃ・きゅ・きょを別々に覚えると33文字の暗記になり、まず続きません。「き の y ばん」と、行ごとにまとめて見せると11パターンで済みます。

⑥ 書けるのに、打てない

紙では書けるのにキーボードだと固まる子は多いです。原因はキーの位置探しに脳を全部使ってしまうから。ローマ字の暗記とキー配置探しを同時にやらせないよう、最初は画面のボタンで答えられるものから始めるとつまずきません。くわしくは5章にまとめました。

5. タイピング練習の前に、覚えるのが先

ローマ字入力・タイピングの練習ソフトは、無料のものだけでもたくさんあります。ただ、その多くは「ローマ字はもう覚えている」ことが前提で作られています。ローマ字そのものを覚えるための教材は、じつはあまり多くありません。

ここを飛ばすと、子どもはキーボードの前で次の2つを同時にやることになります。

  1. 「か」は ka だ、と思い出す
  2. K のキーがどこにあるかを目でさがす

大人はどちらも自動でできるので気づきにくいのですが、子どもにとってはどちらも重い作業です。両方を一度にやらせると、1文字打つのに何秒もかかり、「自分はタイピングが苦手だ」と思い込んでしまいます。実際に止まっている原因は、キーの位置ではなくローマ字を思い出せていないことのほうが多いのです。

順番はこの2段階で

第1段階|ローマ字を覚える…「か=ka」が、考えずにすぐ出てくる状態にする。ここでは速さは求めません。画面のボタンを押す形でかまいません。

第2段階|タイピングの練習…キーの位置と指づかいを体に入れる。ローマ字が頭に入っていれば、ここは「キーの場所を覚えるだけ」になり、見ちがえるほど早く進みます。

逆に言うと、タイピング練習がなかなか進まないお子さんは、いったんキーボードから離れて、ローマ字だけを覚え直したほうが近道です。遠回りに見えますが、結果的にいちばん早く打てるようになります。

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6. おうちでできる練習のしかた

  1. 1日5分・毎日/週末に30分やるより、5分を毎日のほうが定着します。ローマ字は「思い出す回数」で決まります。
  2. まちがえた字だけを、もう一度/全部を等しく繰り返すのは時間のむだです。書けた字は放っておいて、つまずいた字だけを翌日にもう一度出すのがいちばん効きます。
  3. 身のまわりの文字を読ませる/駅の看板、シャンプーのボトル、車のナンバー。「読む」ほうが「書く」より先に慣れるので、外に出たときに1つ読ませるだけでも違います。

この3つ(毎日少し・まちがえた字だけ再出題・遊びながら)を、そのまま形にしたのが下のゲームです。無料で、登録もインストールも要りません。

ローマ字ぼうけんで練習してみる あいぼうといっしょに、あ行から拗音まで120文字/ヘボン式・訓令式どちらも正解

7. よくある質問

ローマ字は何年生で習いますか?

小学3年生の国語で習います。学校でパソコンやタブレットを使い始める時期とも重なるため、ローマ字入力の練習と同時に進むことが多いです。

ローマ字を楽しく覚える方法はありますか?

表を書き写すより、クイズ形式にして「思い出す」回数を増やすほうが定着します。ゲームやアプリ、カルタ、身のまわりの看板読みなど、答えがその場で分かる形にするのがコツです。まちがえた字だけをもう一度出してくれるものだと、なお効率がよくなります。

ヘボン式と訓令式、どちらで覚えればいいですか?

学校のテストは教科書(多くは訓令式)に合わせ、それ以外の場面では両方知っていれば大丈夫です。パスポートや駅名はヘボン式なので、いずれ両方に出会います。最初から「どちらも正解」と伝えておくと混乱しません。

ローマ字が覚えられません。どうすればいいですか?

一度に全部を覚えようとしているのが原因のことが多いです。1章の順番で塊を小さく分け、前の塊ができてから次に進んでください。特にあ行の a i u e o が体に入っているかを先に確かめると、そこから先が急に楽になります。

タイピング練習ソフトで、ローマ字も一緒に覚えられませんか?

覚えられる子もいますが、遠回りになりやすいです。タイピング練習ソフトの多くはローマ字を知っている前提で作られていて、画面には打つべき文字が最初から表示されています。見て写しているだけだと、ローマ字そのものはなかなか頭に残りません。5章のように、先にローマ字だけを覚えてしまうほうが結局は早く打てるようになります。

ローマ字入力とローマ字は同じものですか?

ほぼ同じですが、少しちがいます。ローマ字入力では「ん」を nn と打つ、小さい「ゃ」を lyaxya で単独入力するなど、キーボード特有の打ち方が加わります。まずローマ字そのものを覚え、そのあと入力の作法を足すと混乱しません。