覚える順番・ローマ字表・つまずきやすい字の教え方を、おうちの人と先生むけにまとめました。
2026年9月1日(2026年9月4日 更新)
ローマ字は「表を丸暗記」させるとほぼ挫折します。子音(k・s・t…)と母音(a・i・u・e・o)の組み合わせだと気づかせて、次の順に少しずつ足していくのが、遠回りに見えていちばん速い道です。
あ行 → か・さ・た行 → な・は・ま行 → や・ら・わ行と「ん」 → 濁音 → 促音「っ」 → 拗音
ローマ字は小学3年生の国語で習います。表をまるごと配られても子どもは固まってしまうので、覚える量を7つの塊に割って、前の塊が身についてから次に進むのが基本です。
ここが全部の土台です。ローマ字はほぼ全部「子音+あいうえお」でできているので、あ行の5文字さえ体に入れば、残りは「頭に文字を1つ足すだけ」になります。逆にここが曖昧なまま先に進むと、ずっと表を見ながらでないと書けません。
「か = k + a」と、頭に1文字足すだけだと実感させる段階です。ここで「し」「ち」「つ」だけ形がちがうことに出会いますが、深追いせず「この3つは特別」とだけ伝えて先へ進みます(くわしくは4章)。
例外がほぼない、いちばん素直な塊です。ここで「やっぱり足すだけでいいんだ」という手応えを作ります。「ふ」だけ fu と hu の2通りがあります。
数が少ないので短く終わります。ただし「ん」は後で必ずつまずく字なので、ここで「ん = n」を強く印象づけておきます。あわせて、カタカナののばし棒「ー」=キーボードのハイフンもここで教えてしまうと、あとがスムーズです(→のばす音「ー」の打ち方)。
「か → が」は「k → g」、「は → ば → ぱ」は「h → b → p」と、点々・丸をつけると子音が変わるという規則で覚えます。1つずつ暗記するのではなく、清音とペアで見せるのがコツです。
「きって = kitte」のように、次の音の子音を2回重ねるだけ。ルールが1つしかないので、実は拗音より簡単です。先にここを終わらせると自信がつきます。
最後の山です。「きゃ = ky + a」のように子音のうしろに y を挟むのが基本形。ここまで来れば、ローマ字はほぼ読み書きできます。
この順番どおりに遊べる無料ゲームで練習する ローマ字ぼうけん|登録不要・ブラウザですぐ / 120文字を7ステージで印刷しても、画面のまま見てもかまいません。スラッシュで区切ってあるものは、どちらで書いても正解です(左がヘボン式、右が訓令式)。
| a | i | u | e | o | |
|---|---|---|---|---|---|
| あ行 | あa | いi | うu | えe | おo |
| か行 | かka | きki | くku | けke | こko |
| さ行 | さsa | しshi / si | すsu | せse | そso |
| た行 | たta | ちchi / ti | つtsu / tu | てte | とto |
| な行 | なna | にni | ぬnu | ねne | のno |
| は行 | はha | ひhi | ふfu / hu | へhe | ほho |
| ま行 | まma | みmi | むmu | めme | もmo |
| や行 | やya | ゆyu | よyo | ||
| ら行 | らra | りri | るru | れre | ろro |
| わ行 | わwa | をwo / o | |||
| ん | んn / nn |
| a | i | u | e | o | |
|---|---|---|---|---|---|
| が行 | がga | ぎgi | ぐgu | げge | ごgo |
| ざ行 | ざza | じji / zi | ずzu | ぜze | ぞzo |
| だ行 | だda | ぢdi | づdu | でde | どdo |
| ば行 | ばba | びbi | ぶbu | べbe | ぼbo |
| ぱ行 | ぱpa | ぴpi | ぷpu | ぺpe | ぽpo |
| ya | yu | yo | |
|---|---|---|---|
| き | きゃkya | きゅkyu | きょkyo |
| し | しゃsha / sya | しゅshu / syu | しょsho / syo |
| ち | ちゃcha / tya / cya | ちゅchu / tyu / cyu | ちょcho / tyo / cyo |
| に | にゃnya | にゅnyu | にょnyo |
| ひ | ひゃhya | ひゅhyu | ひょhyo |
| み | みゃmya | みゅmyu | みょmyo |
| り | りゃrya | りゅryu | りょryo |
| ぎ | ぎゃgya | ぎゅgyu | ぎょgyo |
| じ | じゃja / jya / zya | じゅju / jyu / zyu | じょjo / jyo / zyo |
| び | びゃbya | びゅbyu | びょbyo |
| ぴ | ぴゃpya | ぴゅpyu | ぴょpyo |
小さい「っ」は、次の音の子音を重ねて書きます。
tchi と tti のどちらでもOK(まっちゃ → matcha)カタカナの のばし棒「ー」は、キーボードのハイフン(-)で打ちます。キーは P の右どなりです。
ra-men / ケーキ → ke-ki / ゲーム → ge-muひらがなののばす音(おかあさん・とうきょう)は、これとは別の話です(4章の③)。「ー」という記号が見えているときだけハイフン、と分けて教えると混乱しません。
ローマ字には書き方が2種類あります。ここで混乱する子がとても多いので、大人の側が違いを分かっておくと教えやすくなります。
| かな | ヘボン式 | 訓令式 |
|---|---|---|
| し | shi | si |
| ち | chi | ti |
| つ | tsu | tu |
| ふ | fu | hu |
| じ | ji | zi |
| しゃ/しゅ/しょ | sha / shu / sho | sya / syu / syo |
| ちゃ/ちゅ/ちょ | cha / chu / cho | tya / tyu / tyo |
| じゃ/じゅ/じょ | ja / ju / jo | zya / zyu / zyo |
「どちらも正解」と最初に伝えてしまうのがいちばん平和です。学校のテストでは教科書に合わせる必要がありますが、家では両方見せておくほうが後で得をします。「し」を shi と打つのも si と打つのも、パソコンなら同じ「し」が出るからです。
「shi と si、どっちが正しいの?」と聞かれたら、「どっちも正しいよ。学校のテストでは教科書のほうを書こうね」で十分です。ここで片方を「まちがい」にすると、子どもは自分の書いたものを疑い始めて手が止まります。
ローマ字がきらいになる原因の第1位です。「規則から外れるのはこの5つだけ」と数を先に見せると、子どもは一気に楽になります。「例外がいっぱいある」と思っているうちは怖いままです。
「ん」は n ですが、パソコン入力では nn と2回打つほうが確実です(「ほん」→ honn)。また、あとに b・m・p が続くと m と書く流儀もあります(しんぶん → shimbun)。小学生のうちは「n でいい」と割り切って大丈夫です。
「おかあさん」「とうきょう」など、のばす音の書き方は複数あります(oo / ou / ô / のばさず o)。ここは学校の教科書に合わせるのが正解で、家で深追いしなくていい部分です。
「っ」だけ単独で書こうとする子がいます。「っ は、次の音を1回強く言うための合図」と伝え、「きって」を口に出させながら書かせると腑に落ちます。
きゃ・きゅ・きょを別々に覚えると33文字の暗記になり、まず続きません。「き の y ばん」と、行ごとにまとめて見せると11パターンで済みます。
紙では書けるのにキーボードだと固まる子は多いです。原因はキーの位置探しに脳を全部使ってしまうから。ローマ字の暗記とキー配置探しを同時にやらせないよう、最初は画面のボタンで答えられるものから始めるとつまずきません。くわしくは5章にまとめました。
ローマ字入力・タイピングの練習ソフトは、無料のものだけでもたくさんあります。ただ、その多くは「ローマ字はもう覚えている」ことが前提で作られています。ローマ字そのものを覚えるための教材は、じつはあまり多くありません。
ここを飛ばすと、子どもはキーボードの前で次の2つを同時にやることになります。
ka だ、と思い出す大人はどちらも自動でできるので気づきにくいのですが、子どもにとってはどちらも重い作業です。両方を一度にやらせると、1文字打つのに何秒もかかり、「自分はタイピングが苦手だ」と思い込んでしまいます。実際に止まっている原因は、キーの位置ではなくローマ字を思い出せていないことのほうが多いのです。
第1段階|ローマ字を覚える…「か=ka」が、考えずにすぐ出てくる状態にする。ここでは速さは求めません。画面のボタンを押す形でかまいません。
第2段階|タイピングの練習…キーの位置と指づかいを体に入れる。ローマ字が頭に入っていれば、ここは「キーの場所を覚えるだけ」になり、見ちがえるほど早く進みます。
逆に言うと、タイピング練習がなかなか進まないお子さんは、いったんキーボードから離れて、ローマ字だけを覚え直したほうが近道です。遠回りに見えますが、結果的にいちばん早く打てるようになります。
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小学3年生の国語で習います。学校でパソコンやタブレットを使い始める時期とも重なるため、ローマ字入力の練習と同時に進むことが多いです。
表を書き写すより、クイズ形式にして「思い出す」回数を増やすほうが定着します。ゲームやアプリ、カルタ、身のまわりの看板読みなど、答えがその場で分かる形にするのがコツです。まちがえた字だけをもう一度出してくれるものだと、なお効率がよくなります。
学校のテストは教科書(多くは訓令式)に合わせ、それ以外の場面では両方知っていれば大丈夫です。パスポートや駅名はヘボン式なので、いずれ両方に出会います。最初から「どちらも正解」と伝えておくと混乱しません。
一度に全部を覚えようとしているのが原因のことが多いです。1章の順番で塊を小さく分け、前の塊ができてから次に進んでください。特にあ行の a i u e o が体に入っているかを先に確かめると、そこから先が急に楽になります。
覚えられる子もいますが、遠回りになりやすいです。タイピング練習ソフトの多くはローマ字を知っている前提で作られていて、画面には打つべき文字が最初から表示されています。見て写しているだけだと、ローマ字そのものはなかなか頭に残りません。5章のように、先にローマ字だけを覚えてしまうほうが結局は早く打てるようになります。
ほぼ同じですが、少しちがいます。ローマ字入力では「ん」を nn と打つ、小さい「ゃ」を lya/xya で単独入力するなど、キーボード特有の打ち方が加わります。まずローマ字そのものを覚え、そのあと入力の作法を足すと混乱しません。